=「ABCモデル」で行動をとらえよう=

ここでは、ほめられたり怒られたりするとなぜ人の行動が変わっていくのかみていきましょう。

人の行動をより正確な観点から見ていく手段として「ABCモデル」というものがあります。

「ABCモデル」は次の3要素から成っています。

先行条件(Antecedent) : 行動のきっかけとなる目的 行動する直前の環境のこと
   ↓
☆行 動(Behavior) : 行為、発言、振る舞い
   ↓
☆結 果(Consequence) : 行動によってもたらされるもの 行動した直後に起きた環境変化のこと

先行条件によって行動し、そこに結果が生まれます。

どのような行動もこの因果関係の上に成り立っているのです。

例えば、あなたはお酒を勧められました。

一杯呑んでみるととても美味しかった。もう一杯もらって呑む。

これが典型的な「ABCモデル」です。

この因果関係にはもう一つ重要な流れがあります。

先行条件は結果に影響され、サイクルを形成するということです。

「お酒が美味しかった」という結果が「もう一杯呑む」という行動を生むのもこのサイクルがあるからです。

ビジネスでの先行条件としては、目的、ゴール、ルール、仕事の説明、ポリシー、締め切り・・・等々が考えられます。

目的Aのために行動Bをしたとき、得られた結果Cが望ましいものであれば、人は行動Bを繰り返すのです。

逆に得られた結果が望ましくないものであれば、行動Bをとらなくなります。

人間とはそういう生き物なのです。

人間に限らず、全ての動物が望ましい結果を得ようとして行動するのです。

このことを踏まえて、企業のマネジメントについて考えてみましょう。

従来のマネジメントでは、行動科学でいうところの「先行条件」重視の発想でした。

目標数値やゴールさえ設定すれば、社員はそこに向かって動いてくれると考えています。

そして、社員が思うように動かないと叱責し罰を与えるということをしてきました。

これは大きな間違いです。

行動科学の観点からみると、最も重要なのは「ABCモデル」でいうところの「結果」なのです。

望ましい結果を得られると学習したとき、人は同じ行動を繰り返そうとするのです。